トップ «前の日記(2007年10月01日) 最新 次の日記(2007年10月05日)» 編集
2003|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|10|12|
2009|02|03|06|07|10|11|12|
2010|01|02|03|04|07|09|10|11|12|
2011|01|03|04|05|06|07|08|10|
2012|01|06|08|09|10|12|
2013|01|02|03|04|07|09|11|12|
2014|01|03|04|05|06|09|
2015|04|
2016|01|08|
ここは旧えびめもです。えびめも2に移行します(2016/12/1)

2007年10月02日

受託開発と自社開発の両立

きんねこさんの日記から
http://d.hatena.ne.jp/kinneko/20071002/p2
とか
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070219/262375/
とか
http://blog.livedoor.jp/ld_directors/archives/50782624.html
私のように特別に経営の勉強をしたわけでもなく経営に近い仕事を経験したわけでもなく、一介の技術屋が勢いで起業してしまうと、上で述べられているような「とりあえず受託開発で資金を稼いで、その資金で自社製品を開発しよう」となることが多い。ウチもそのひとつだ。今の世の中、技術があれば経営の能力が無くても受託開発で生きていくことはできるだろう。逆に言えば受託開発から抜けたいのに抜けられないのは経営能力が無いからとも言える。
私はりぬくす工房時代から社長業をやってきたが気がついたら8年経ってしまった。まだまだ若輩者だけれども技術屋兼業の経営者として、気がついた事の頭の整理をしてみる。

なぜ起業するのか。

起業する動機付けは人によってさまざまだ。ただ残念ながら、xxという事業(商売)を起こしたいんだ!と具体的プランを持って起業するのは一部の人で、多く見られるのは具体的動機付けではなく、現状の不満とか取引、給与面での問題から独立したり、あるいは独立すること(社長になること)自体が目的(ゴール)として起業する人も見える。小さな頃の夢が「社長になること」だったりするパターン。私も人のことを言えずこのいずれかのパターンだけれど、いずれにしても起業してからハマルよりか先達の話を聞く、本を読む、Blogを見るなどして、起業後を想像・想定してからことに及んだほうが良いと当たり前のことをいまさらながらに思う。

受託開発はアルバイトか?

会社を立ち上げた当初、受託のお仕事は、会社を作ってアルバイトをしているようなものだと考えていた。とくに一人二人で仕事をしている間は「はい、お仕事終わりました。お小遣いください」。と大差はない。ただし感覚の上ではサラリーマンとして給料をもらっているのではなく自力でメシを食っている自由度、達成感を得ることができ、自信や感覚を養う上では大事なことであると思う。

仕事が順調に片付いてくと一人二人では回らなくなり、他人を雇い入れるタイミングがおとづれる。起業して最初の難関はココにある。自分本人、友人知人ではない他人を雇うとなると今までの甘えが許されなくなる。そこを乗り越えてスタッフを雇い入れ、あるいは外注をマネージメントして開発案件をアサインし着実にこなしていけるようになってはじめて事業と呼べるようになる。コンピュータソフトウェアの受託開発事業である。

コンピュータソフトウェア受託開発事業をはじめるにあたり必要なスペック

・本人あるいは社内あるいは関係先に、その分野での技術力は当然必要
・経営力はそんなに要らない
・見積り力はなにより大事
・交渉力も大事
・プロジェクトの開始から終了までの時間的視野
受託開発のお仕事は、ヒヤリングをして要求を仕様に落として、見積もって開発して、納品すればとりあえずお金になる。これにはエンジニアとしてのプロジェクト管理能力は要求されるけれど、経営の能力はじつはそんなに要求されてこない。それよりも困ったときの人脈が大事だったりする。

自社開発製品をリリースするために必要なスペック

・世の中の動向のリサーチ
 → 世の中に不足しているものは何か(ウォンツを探せ)
 → お金がどこへ集まってくるか
・資金調達力
 →開発、完成、アピール(広報宣伝)、製造までの資金をなんらかの方法で調達する力。
   途中で資金が欠けるとプロジェクトは頓挫・中断し、ほこりをかぶり、くさり、投資が意味をなさなくなる。
・ブランドを作り出す力
・製品が完成して "から" 発売、浸透するまでの2、3年先までの時間的視野
・動向に反したとしても、作りたいものに並々ならぬ情熱があれば世間の動向がこちらを向くこともある(かもしれないね)。
・製品がヒットしなかったときの保険行動を常に考えておかないとね。
製品開発は投資である。投資である以上は回収しないといけない。技術屋が自社製品開発に挑戦して陥りやすいワナ
1) 商品に対する自己満足
   例)うちの「TELZO」 (笑)
2) 製品が完成したことで満足してしまう(ゴールになってしまう)こと。完成してもちろんうれしいのだけど完成することが
   ゴールではなく、製品の完成は事業の最初の段階であって、そこからいかに売るかなのに。
   例)うちの「みはるぞう」(笑)

受託開発のデメリット

良い仕事をしてもなかなかブランドが浸透しない。ブランドが浸透する速度が遅い。

担当している担当者の不満が高くなる傾向があるということ。開発している製品なり事業なりが他人の企画であるし、イケてない場合もあるし、事業の成果も見えにくいのでどうしても製品を愛せない、仕事に不満がたまりやすい、となる傾向があるように思える。定期的に入れ替えなどの対処がいると思う。

受託開発はダメなのか?

受託開発がダメで自社製品を売っている会社が優れているのか?そんな単純な図式は成立しない。シンプルで単純な図式を当てはめるならば、
儲けている会社 → 世の中に必要とされている事をしている → 優れた事業を行っている。
儲けていない会社→世の中に必要とされていない→事業がダメ。
とただそれだけになる。しかし世の中そんな単純に白黒つくわけではない。良いものを安く売って儲からないですよ。なんて言ってる社長さんはたくさんいるはずだ。赤字でも続けなければいけない事業だってあるはずだ。それと同じく、受託がダメだという単純な図式は当てはまらない。受託開発事業もメリットがたくさんある。 私のところでは、私の考えもあって売り上げ金額ベースで、受託開発と製品販売の比率を50%:50% にしようと調整をしている。ここ数年間、実績ではぶれはあるもののフィフティーの目標はずっと掲げている。わたしのところでは受託開発事業のメリットは大きく分けると3つある

・利益率が良い
・交流が深まる
・自社製品を組み込んで売り込むチャンスと考える
受託開発をやめてしまうとこの3つの機会損失になる。ので、どうか皆様、迷惑をかけつつも誠意がんばりますので今後ともどうかよろしくお願いします(^-^)